1: 2018-02-12 (月) 21:11:33 maruo[5] [6] | |||
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+ | *違うバージョンのPHPを動かしたい! [#gbb6f519] | ||
+ | Webアプリを運用していると、開発が活発なアプリ、あまり更新されないアプリで、動作要件が変わってきたりします。特に大きいのは、Webアプリを動作させる肝となる、シェル言語のバージョン。で、軽量なWebアプリでメジャーな言語はPHP。このPHPって曲者で。バージョンアップでかなり言語仕様が変わります。なもので…最近PHP5じゃないと動かないアプリと、PHP5のサポートを終了させようとしているアプリが入り乱れてきました。なもので、古いアプリはPHP5、新しいアプリはPHP7で動かす環境を作らないといけなくなってまいりました。でも、Webサーバ(Apacheやnginx等)を複数動かすのはとてもうれしくない。なので、Apache一つで、Webアプリによって動作させるPHPを分けて見るようにします。 | ||
+ | では、行ってみましょう | ||
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+ | *どうやって複数バージョンのPHPを共有させるか [#z9e52729] | ||
+ | ApacheでPHPで記述されたWebアプリを駆動するには、以下の手順が使えます。 | ||
+ | +モジュール | ||
+ | +CGI | ||
+ | +FastCGI | ||
+ | |||
+ | モジュールの場合は、mod_phpを用いて、Apacheのプロセス内でPHPの処理を実行します。 | ||
+ | |||
+ | CGIは、Apacheから、HTTPリクエストがあるたびにPHPのプロセスを起動して、PHPスクリプトを実行します。 | ||
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+ | FastCGIは、PHPのプロセスを予め起動させておき、ApacheにHTTPリクエストが来るたびに、TCPもしくはUnix Dmain Socket経由で常駐PHPプロセスに処理をさせます。 | ||
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+ | この中で、GCI方式が最も重そうな方法であることはご理解いただけるかと。mod_phpが最もシンプルな方法なのですが、1つのバージョンしか使えない。なので、主となるバージョンはmod_phpで、旧型バージョンはFastCGIで駆動させる方法を採用することとします。 | ||
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+ | このわけかたとして、デフォルトは何も指定せずモジュール版で駆動させ、旧版PHPで動かしたいアプリだけ、.htaccessに設定を記載してやることで旧版で動作させることを実施します。 | ||
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+ | *準備 [#qde4619d] | ||
+ | **PHPのビルド [#cc5b2304] | ||
+ | -PHPのUSEフラグに"apache2 fastcgi"の2つを追加します。 | ||
+ | -make.confに以下の記述を追加します。 | ||
+ | PHP_TARGETS="php5-6 php7-1" | ||
+ | |||
+ | ここのPHP_TARGETSは、インストールしておきたいバージョンのPHPを列挙します。私はPHP5系の最新(php5-6)と、PHP7系の最新(php7-1)を書いておきます。 | ||
+ | |||
+ | -emergeします。 | ||
+ | |||
+ | おしまい。 | ||
+ | |||
+ | **Apacheのビルド [#d89bb78e] | ||
+ | -make.confのAPACHE2_MODULESに、"proxy proxy_fcgi"を追記します。 | ||
+ | -emergeします。 | ||
+ | |||
+ | おしまい。 | ||
+ | |||
+ | *動作設定 [#k7d52dc6] | ||
+ | モジュールによる起動は既にできていることとします。このため、FastCGIにて起動する方法を中心に記載します。 | ||
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+ | ApacheのFCGI Proxyモジュールを用いて、バックエンドのPHPと通信致します。 | ||
+ | |||
+ | |||
+ | **Apache側 [#d3cc21d5] | ||
+ | /etc/conf.d/apache2内のAPACHE2_OPTSに、以下の定義を追記します | ||
+ | -D PHP -D PROXY | ||
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+ | **PHP側 [#x573b2c4] | ||
+ | 今回は、以下の設定とします。 | ||
+ | -モジュール版はPHP7.1 | ||
+ | -FastCGI側はPHP5.6 | ||
+ | |||
+ | で、それぞれ起動するバージョンを設定してやります。 | ||
+ | # eselect php set apache2 php7.1 | ||
+ | # eselect php set fpm php5.6 | ||
+ | |||
+ | 次に、/etc/php/fpm-php5.6/php-fpm.confを編集します。今回は、UNIXドメインソケットで通信出来るように設定します。以下の項を注意して設定します。 | ||
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+ | user = nobody # FPM版のPHPの起動ユーザ権限 | ||
+ | group = nobody # FPM版のPHPの起動グループ権限 | ||
+ | listen = /var/run/php-fpm/www.sock # 通信するポートを指定。ここではwww.sockというUNIXドメインソケットを指定 | ||
+ | listen.owner = nobody # 上記ソケットのユーザ | ||
+ | listen.group = nobody # 上記ソケットのグループ | ||
+ | listen.mode = 0660 # 上記ソケットのアクセス権 | ||
+ | |||
+ | 特に起動ユーザ、グループ、ソケットのユーザ、グループ、アクセス権は注意して設定してくださいね。Apacheの起動ユーザ権限とソケットのアクセス権が合っていないと、「Permission Denied」と言われます。また、PHP-FPMの起動ユーザ、グループがWebアプリ側のアクセス権と合っていないと、PHP-FPM側は、Webアプリファイルにアクセス出来ないと言われます。apacheのerror_logをよく見ててくださいね~ | ||
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+ | *プロセス起動 [#l625760f] | ||
+ | ApacheとPHP-FPMを再起動します。 | ||
+ | # /etc/init.d/apache2 restart | ||
+ | # /etc/init.d/php-fpm restart | ||
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+ | *使用するPHPバージョンの宣言 [#y8d349fb] | ||
+ | ポリシーとして、以下のようにする、と先ほど書きましたね | ||
+ | -デフォルトはモジュール版(PHP7.1で) | ||
+ | -古いバージョンで起動させたいWebアプリだけ、.htaccessで制御する | ||
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+ | と、言うことで、各Webアプリは、ディレクトリで別れて格納されいると仮定します。PHP5.6で動かしたいWebアプリが格納されているディレクトリのトップに、.htaccessを置き、以下の内容を追記します。 | ||
+ | |||
+ | <IfDefine PHP> | ||
+ | <FilesMatch "\.php$"> | ||
+ | SetHandler "proxy:unix:/var/run/php-fpm/www.sock|fcgi://localhost" | ||
+ | </FilesMatch> | ||
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+ | DirectoryIndex index.php index.phtml | ||
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+ | </IfDefine> | ||
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+ | 起動オプションにPHPが指定されていたら、拡張子.phpにマッチするファイルは、PHP-FPMのソケットに渡す、というエントリーです。.htaccessは、置かれたディレクトリ配下のアクセス条件に上書きされるので、このエントリーが無い他のWebアプリは、モジュール版PHP7,1、先のエントリーがある.htaccessがあるWebアプリはPHP5.6で動く、という仕掛け。 | ||
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+ | さらに応用すると、PHP5.6を複数バージョン入れておき、PHP-FPMを複数起動させておいて、バージョン呼び分けする、という技も使えますよ~。ヒントは、先程のUNIXドメインソケットをバージョンごとに作り分ければ、良いわけですねぇ。 | ||
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+ | これで、PHPバージョンでアプリが動かなくなる悪夢から解放されそうです♪ |
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