1: 2013-03-07 (木) 00:38:48 maruo ソース 現: 2018-02-21 (水) 22:48:21 maruo ソース
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*ふとしたキッカケ [#we75a40b] *ふとしたキッカケ [#we75a40b]
-Apache httpサーバが2.2系から2.4系にアップデートされた((2013/3/6現在、GentooのStableは2.2系に戻ってますが…))事がキッカケでした。せっかくなので、USEフラグを攻めてみようと。そしたらば…MPMという指定がOFFになっていたのです。ヽ(~~~ )ノ ハテ?MPMってなんだろう?+Apache httpサーバが2.2系から2.4系にアップデートされた事がキッカケでした。せっかくなので、USEフラグを攻めてみようと。そしたらば…MPMという指定がOFFになっていたのです。ヽ(~~~ )ノ ハテ?MPMってなんだろう?
 Multi Processing Moduleという名称からも分かるように、mpmとはapacheの並列処理を行うmoduleです。  Multi Processing Moduleという名称からも分かるように、mpmとはapacheの並列処理を行うmoduleです。
ほほう、なるほど…並列処理用のモジュールの指定、ということだったのね。せっかくアップデートするのであれば、ピカピカの状態で使用したい、と言うことで、Apache+PHPの実行環境を攻めて行くこととします。 ほほう、なるほど…並列処理用のモジュールの指定、ということだったのね。せっかくアップデートするのであれば、ピカピカの状態で使用したい、と言うことで、Apache+PHPの実行環境を攻めて行くこととします。
 +
 +*設計指針 [#i522c57d]
 +-入力が捌けなくて落ちない様に、奥(PHPやMySQL)は広く、入り口(Apache)を狭く設定しておく
 +-プロセス/スレッド/キャッシュ数は、なるべく理にかなった方法で
*Apache MPMの設定 [#ob0e20a5] *Apache MPMの設定 [#ob0e20a5]
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**MPMを選択してコンパイルする [#v968b11e] **MPMを選択してコンパイルする [#v968b11e]
-/etc/portage/make.confに、以下の記載を追加します +/etc/portage/make.confに、以下の記載を追加します。ちなみに、今回は攻めるので、event MPMで高速なWebサーバを目指します。 
- APACHE2_MPMS=prefork/worker/itk/perchild/event(どれか一つを選ぶ) + APACHE2_MPMS=event 
-ちなみに省略すると問答無用でworker MPMが選択されます。で、いつもの+
 # emerge apache2  # emerge apache2
**MPMのチューニング [#g3659aef] **MPMのチューニング [#g3659aef]
-/etc/apache2/modules.d/00_mpm.confにMPMの動作パラメータが記載されています。これをいろいろいじってやればOK。今うちでは2.2系を運用しているので、worker MPMを動かしています+/etc/apache2/modules.d/00_mpm.confにMPMの動作パラメータが記載されています。これをいろいろいじってやればOK。
:StartServers|最初に起動する子プロセスの数 :StartServers|最初に起動する子プロセスの数
:MinSpareThreads|最小の待機スレッド数 :MinSpareThreads|最小の待機スレッド数
:MaxSpareThreads|最大の待機スレッド数 :MaxSpareThreads|最大の待機スレッド数
:ThreadsPerChild|子プロセスの中のスレッド数 :ThreadsPerChild|子プロセスの中のスレッド数
-:MaxClients|最大同時接続待機数+:MaxRequestWorkers|最大同時接続ワーカー数 
 +:MaxConnectionsPerChild |子プロセスの最大数
-だ、そうです。どれぐらいにするかは悩みどころですが…いろいろいじくってみたところ、なんだか不安定になってしまったので、デフォルト設定のまま使ってます。 +だ、そうです。さて、うちではどうして言うかというと-。
-ちなみに、4コアでevent MPMをチューニングして最速だったのはこんな設定だって。Apache 2.4系でないと使えないディレクティブ混じってます。が、これを参考にやってみたところ、なんかしばらくするとリクエスト受け付けなくなるんだよねぇ…人柱な人は、試して何故ダメなのか教えてくだされ…+
-StartServers 4 + StartServers 4 
-MinSpareThreads 4 + MinSpareThreads 25 
-MaxSpareThreads 4 + MaxSpareThreads 75 
-ThreadsPerChild 2 + ThreadsPerChild 25 
-MaxRequestWorkers 2 + MaxRequestWorkers 150 
-MaxConnectionsPerChild 0+ MaxConnectionsPerChild 10000
-出展は[[このページ>http://blog.matsumoto-r.jp/?p=2996]]です。 
-**PHPの並列動作について [#x23dbc12] +起動時、StartServers、MinSpareThreadsで待機していますが、同時接続数が増えていくと、ThreadsPerChild数を超えると、MaxRequestWorkersに到達するまで子プロセスを増やします。が、子プロセスのゾンビ化やメモリリークを防ぐために、MaxConnectionsPerChildで上限を決めているのですね。
-PHPをマルチスレッドで動作させるのは非推奨だと、[[PHPホームページに記載されています>http://www.php.net/manual/ja/faq.installation.php#faq.installation.apache2]]。やるならFastCGIを使えとのこと。マルチスレッドなMPM(workerやevent)を使用する場合、2つの選択肢があります。 +
-+スレッドセーフなPHPを使って、mod_phpから動かす(Zend Thread Safety対応のPHPを使う) +
-+FastCGIで動かす+
-さてー、うちではどうしたか?FastCGI設定してみたのですが、致命的な不具合があって、断念しました。XoopsのWordPressモジュールが表示されませんでした。Apacheが +ポイントは、MaxRequestWorkersで、同時接続の最大数。同時アクセスの最大数はココでサチるということですね。
- Premature end of script headers: index.php, +
-こんなメッセージ吐いちゃって… index.phpがCGIとしてまともに動かないとかなんとか。(;´д`)トホホ。なので、mod_php+スレッドセーフなPHPで、いいやと。+
-さて、それぞれ見てみましょう +*PHPの並列動作について [#x23dbc12
-***スレッドセーフなPHPか? [#e995976b+PHPをマルチスレッドで動作させるのは非推奨だと、[[PHPホームページに記載されています>http://www.php.net/manual/ja/faq.installation.php#faq.installation.apache2]]。やるならFastCGIを使えとのこと。なわけで、FastCGIの設定をしてみます。
-確かめる方法があります。 +
-&nbsp;<?php+
- phpinfo();+**FastCGIをやってみる [#ba4fc5cb] 
 +さて、FastCGIの設定は、[[このページ:http://femt.ddo.jp/modules/xpwiki/?Gentoo%20Linux%E3%81%AA%E7%94%9F%E6%B4%BB%2F%E8%A4%87%E6%95%B0%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%AEPHP%E5%90%8C%E6%99%82%E8%B5%B7%E5%8B%95%E3%81%A7%E6%82%A9%E3%82%80]]のApache&PHP7.1の部分だけ設定すると、うまくいきますよ~
- ?&gt+**チューニング [#za32aded] 
-こんな内容のphpファイル(phpinfo.phpとします)を作って、Webサーバからアクセスできるところにおきます。http://example.com/phpinfo.php等。すると、PHPの設定がずらずらと出てきます。以下の2つに注目+ pm = dynamic                    #下記パラメータに従って動作する 
 +&nbsp;pm.max_children = 100      #最大同時接続数 
 + pm.start_servers = 4          #最初に起動しておくプロセス数 
 + pm.min_spare_servers = 1  #待機させておくサーバの最小数 
 + pm.max_spare_servers = 4 #待機させておくサーバの最大数
-:Debug Build|noであること +さて。pm.max.childrenまで子プロセスを増やします。このプロセス数が、接続数の上限です。先程、Apacheの同時接続数を150にしておきましたので、うちでは2バージョンのPHPを起動しておきますので、2つで最大200まで。Apacheの奥にいるPHPに、余裕を作っておきます。
-:Thread Safety|enabledであること+
-上記が満たされていれば、スレッドセーフなPHPです。mod_phpから使用しても問題ないでしょう。ちなみに、GentooのパッケージでコンパイルされるPHPはスレッドセーフなPHPでした。PHPをコンパイルする際に、--enable-maintainer-ztsをつけてコンパイルすればスレッドセーフなPHPが出来るはずです。+さらに、start_servers数だけ、最初に起動しておきます。全部埋まらないように、min_spare_serversで、最低限1つ、空きプロセスとして、次のリクエストに備えます。max_spare_serverで、待機しているPHPは4つまでにしておくので、使い終わったらプロセスを終了させます。
-***FastCGIをやってみる [#ba4fc5cb] +というわけで、忙しいときには増え、使い終わるとプロセスを減らすという、賢い動きをしてくれるわけですね♪
-CGIとは何か。CGIとは、Webサーバからスクリプトを呼び出す仕掛けです。例えばperl/ruby/python/bash... PHPも場合によってはありえます。が、普通にCGIを使用すると、 +
-+WebサーバのプロセスからFork +
-+perl等のプロセスを起動 +
-+スクリプト実行 +
-+プロセスを終了する+
-と、とても重い処理になってしまいます。FastCGIとは、予めperl等、スクリプトを実行したいプロセスを起動させておき、スクリプトイメージだけを起動済みプロセスに渡し、処理してもらった結果を受け取ってHTTPで返すことで、プロセスの起動/終了に関わるオーバーヘッドを軽減する仕組みです。+**PHPのキャッシュ(opcacheとPECL-APCu)を設定する [#j4b51446] 
 +***opcache [#u827a9a1] 
 +PHP5.5移行、PHPに組み込まれています。opcacheはコードキャッシュで、PHPのプログラムを中間コード化してメモリにキャッシュしておきます。そのため、一度実行されたコードを再度コンパイルしないため、応答速度が改善されます。
-ちなみに、mod_phpとFastCGI、どちらが高速か?と言うと…少ないリクエストではmod_php、大量のリクエストを処理するならばFastCGIに軍配が上がるそうです。FastCGIの方がスケーラビリティが高いという言い方をしますね。+/etc/php/XXX-phpX.X/php.iniの以下の項を設定します。 
 + opcache.enable=1 
 + opcache.enable_cli=1 
 + opcache.memory_consumption=128 
 + opcache.interned_strings_buffer=8 
 + opcache.max_accelerated_files=10000 
 + opcache.revalidate_freq=1 
 + opcache.save_comments=1
 +**PECL-APCu [#o94d9b71]
 +PECL-APCuは、データキャッシュで、データの読み込みを高速化してくれます。
 +***コンパイル [#ob16f023]
 + # emerge dev-php/pecl-apcu
-とりあえず、設定の仕方だけ記載しておきますね。[[参考は、このページです>http://mattmcadoo.com/content/mini-howto-setting-php-fpm-apache-gentoo]]+さて、インストールされたAPCuを設定いたします。/etc/php/XXX-phpX.X/extの下にある、apcu.iniに、以下の項を追加。 
 + apc.shm_size=128M 
 + apc.ttl=86400 
 + apc.gc_ttl=86400
-まず、phpのuseフラグにfpmを追加し、+これで、php-fpmを再起動してあげます。どうですかね?かなり体感早くなったんじゃありませんか~??
- # emerge --newuse -vuD world+*MySQLのチューニング [#i44d3b73] 
 +さて、DBのチューニングってのも、課題になりますよね。そこで、こんな便利ツールがあるそうで。
-次に、MASKされているwww-apache/mod_fastcgi_handlerをインストールします。/etc/portage/package.keywordsにwww-apache/mod_fastcgi_handlerを追加して+**mysqltuner [#y25ba22d] 
 + # emerge mysqltuner
- # emerge www-apache/mod_fastcgi_handler+さて、mysqltunerをインストールしましたら、実行してみます。DBの管理ユーザ&パスワード聞かれますので、答えます。うちでは、こんな表示が出てきましたよ。
-そして、 /etc/apache2/modules.d/70_mod_php5.confを編集します。 + General recommendations: 
- # Load the module first+   Run OPTIMIZE TABLE to defragment tables for better performance 
 +   Reduce or eliminate persistent connections to reduce connection usage 
 +   Upgrade MySQL to version 4+ to utilize query caching 
 +   Adjust your join queries to always utilize indexes 
 +   Set thread_cache_size to 4 as a starting value 
 +   Increase table_cache gradually to avoid file descriptor limits 
 + Variables to adjust: 
 +   max_connections (> 151) 
 +   wait_timeout (< 28800) 
 +   interactive_timeout (< 28800) 
 +   join_buffer_size (> 64.0M, or always use indexes with joins) 
 +    thread_cache_size (start at 4) 
 +   table_cache (> )
- LoadModule php5_module modules/libphp5.so+さて、このmysqltuner、サーバの運用実績から、改善事項を提示してきますので、mysqlを起動してから、24時間以上経ってから出したほうが良いみたいです。運用しながら、何回か実施してみて下さい。
- # Set it to handle the files+***OPTIMIZE TABLE [#yb23c069] 
 +テーブルがフラグメントされてるから、最適化しろ、だそうです。こんなコマンドでできます。 
 + # mysqlcheck -u <管理者ユーザ> -p<パスワード> --all-databases --optimize
- #AddHandler application/x-httpd-php .php .php5 .phtml +ちなみに、InnoDBの場合は、最適化ができないので、ALTER TABLEで代用してくれるそうです。ありがたいことだ♪
- #AddHandler application/x-httpd-php-source .phps +
- AddHandler fcgi:/var/run/php-fpm.socket .php .php5+
- DirectoryIndex index.php index.phtml+***my.cnfの調整 [#la2a6cac] 
 +指示に従って、/etc/mysql/my.cnfを変更してあげます。何回かmysqltunerを実行した結果、あれ直せ、これ直せと指示が出ましたので、以下を調整しました。 
 + join_buffer_size                      =1M 
 + table_open_cache                      = 8192 
 + max_connections                      = 150 
 + wait_timeout                  = 20000 
 + interactive_timeout          = 20000 
 + thread_cache_size            = 4 
 + query_cache_type                = 1 
 + query_cache_limit              = 16M 
 + query_cache_size              = 512M 
 + skip-name-resolve            = 1 
 + innodb_buffer_pool_instances = 7
 +調整が済んだら、mysqlを再起動しましょう。
-続いて…/etc/php/fpm-php5.3/php-fpm.confをいじります + # /etc/init.d/mysql restart
- ;listen = 127.0.0.1:9000 +
- listen = /var/run/php-fpm.socket +
- ; Unix user/group of processes +
- ; Note: The user is mandatory. If the group is not set, the default user's group +
- ;      will be used. +
- user = apache +
- group = apache +
- +
-さらに、/etc/conf.d/apache2をいじります。 +
- APACHE2_OPTS="-D PHP5 -D FASTCGI_HANDLER" +
- +
--D FASTCGI_HANDLER追加ね。 +
- +
-で、apacheとphp-fpmを起動 +
- +
- # /etc/init.d/apache2 restart +
- # /etc/init.d/php-fpm restart +
- +
-で、FastCGIがうまく動けばWebページが表示されるはずでーす。 +
- +
-*PECL-APCでPHPを高速化する [#j8f37c8d] +
-PHPは、スクリプト言語なので、テキストファイルを読み込んで、実行時にコンパイルして実行しています。このコンパイル時間が処理のオーバーヘッドとなります。PECL-APCとは、一度読み込んでコンパイルしたPHPスクリプトをキャッシングしておき、再度読み込んだ際にキャッシュにヒットすれば、コンパイル済みPHPスクリプトを実行するため、目に見えてページ表示が高速化されます。さて、設定してみましょう。 +
- +
-**コンパイル [#i2a76c1b] +
-うちでは、オプションにmmapを追加してみてます。/etc/portage/package.useに +
- dev-php/pecl-apc mmap +
-を追加し、ビルド。 +
- # emerge dev-php/pecl-apc +
- +
-**設定 [#ra1a69a0] +
-/etc/php/XXX-php5.3/extの中にapc.iniというファイルが入っているのがわかるかと思います。これを設定してあげればOK。私は +
- apc.shm_size=128M +
-を追加しております。PHP用の共有キャッシュメモリに128Mbyteをリザーブする、ということです。apache2-php5.3の下はmod_phpで動くPHP用、cli-php5.3の下はCLIコマンドでのPHP用、fpm-php5.3の下はFastCGIで動くPHP用ですね。+
-**動作を見てみる [#o5a7a10b] +join_buffer_sizeを大きくしろ、と散々言われます。が、そもそも、インデックス作る方が高速化につながるそうなので、join_bufferをいくら増やしても、アプリ側を変更しないと追いつかない、ということで、増やさなくてもOKというネット記事がありましたので、うちではココまでにしております。
-/usr/share/php/apc/apc.phpがありますので、これをWebサーバから見える場所に置いて、ブラウザからアクセスしてみましょう。http://example.com/apc.php等ね。+
-グラフで、共有メモリの使用状況が見えると思います。ちなみに、うちだと軽く128Mなんて使ってそうな勢いですね~…キャッシュヒット率も97%位いってるので、かなり効果が高いということが分かりますです。+*結果 [#id87c281] 
 +正直、爆速になりました。以前は、正直Wehページが描画される様が目で見て解るぐらいちんたらしていて、まぁ、Webアプリだからこんなもんかな、と半ば諦めていたのですが、2回め以降のページ表示が人間の体感で一瞬で終わります。人の目で見てあきらかに違うので、かなり効果があったと言えるでしょう。超快適♪


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