2: 2018-02-12 (月) 21:15:30 maruo[4] [5] | 現: 2018-02-17 (土) 20:49:50 maruo[4] [6] | ||
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FastCGIは、PHPのプロセスを予め起動させておき、ApacheにHTTPリクエストが来るたびに、TCPもしくはUnix Dmain Socket経由で常駐PHPプロセスに処理をさせます。 | FastCGIは、PHPのプロセスを予め起動させておき、ApacheにHTTPリクエストが来るたびに、TCPもしくはUnix Dmain Socket経由で常駐PHPプロセスに処理をさせます。 | ||
- | この中で、GCI方式が最も重そうな方法であることはご理解いただけるかと。mod_phpが最もシンプルな方法なのですが、1つのバージョンしか使えない。なので、主となるバージョンはmod_phpで、旧型バージョンはFastCGIで駆動させる方法を採用することとします。 | + | この中で、GCI方式が最も重そうな方法であることはご理解いただけるかと。mod_phpが最もシンプルな方法なのですが、1つのバージョンしか使えない。なので、FastCGIで複数バージョンを同時駆動させる方法を採用することとします。 |
- | + | ||
- | このわけかたとして、デフォルトは何も指定せずモジュール版で駆動させ、旧版PHPで動かしたいアプリだけ、.htaccessに設定を記載してやることで旧版で動作させることを実施します。 | + | |
*準備 [#qde4619d] | *準備 [#qde4619d] | ||
**PHPのビルド [#cc5b2304] | **PHPのビルド [#cc5b2304] | ||
- | -PHPのUSEフラグに"apache2 fpm"の2つを追加します。 | + | -PHPのUSEフラグに"fpm"を追加します。 |
-make.confに以下の記述を追加します。 | -make.confに以下の記述を追加します。 | ||
PHP_TARGETS="php5-6 php7-1" | PHP_TARGETS="php5-6 php7-1" | ||
Line 42: | Line 40: | ||
ApacheのFCGI Proxyモジュールを用いて、バックエンドのPHPと通信致します。 | ApacheのFCGI Proxyモジュールを用いて、バックエンドのPHPと通信致します。 | ||
- | |||
**Apache側 [#d3cc21d5] | **Apache側 [#d3cc21d5] | ||
Line 49: | Line 46: | ||
**PHP側 [#x573b2c4] | **PHP側 [#x573b2c4] | ||
+ | ***起動PHPの指定 [#p437996e] | ||
今回は、以下の設定とします。 | 今回は、以下の設定とします。 | ||
- | -モジュール版はPHP7.1 | + | -FastCGIのデフォルトはPHP7.1 |
- | -FastCGI側はPHP5.6 | + | -さらにもう一つFastCGIのPHP5.6を駆動する |
- | で、それぞれ起動するバージョンを設定してやります。 | + | 起動するバージョンを設定してやります。 |
- | # eselect php set apache2 php7.1 | + | # eselect php set fpm php7.1 |
- | # eselect php set fpm php5.6 | + | |
- | 次に、/etc/php/fpm-php5.6/php-fpm.confを編集します。今回は、UNIXドメインソケットで通信出来るように設定します。以下の項を注意して設定します。 | + | さらに、普通に設定すると、FPM版PHPの起動シェルは1つしかありません。eselectで指定したバージョンを起動してくれます。ので、指定バージョンを起動するシェルを作ってあげます。 |
+ | # cd /etc/init.d | ||
+ | # cp php-fim php-fpm5.6 | ||
+ | # vi php-fpm5.6 | ||
+ | |||
+ | さて、このコピーしたphp-fpm5.6の頭にある以下の部分を修正します。 | ||
+ | |||
+ | PHP_SLOT="${SVCNAME#php-fpm-}" | ||
+ | ↓ | ||
+ | PHP_SLOT="php5.6" | ||
+ | |||
+ | eselectで指定するphpのバージョン名ね | ||
+ | |||
+ | ***PHP7.1側の設定 [#ocf82257] | ||
+ | /etc/php/fpm-php7.1/fpm.d/www.confを編集します。今回は、UNIXドメインソケットで通信出来るように設定します。以下の項を注意して設定します。 | ||
user = nobody # FPM版のPHPの起動ユーザ権限 | user = nobody # FPM版のPHPの起動ユーザ権限 | ||
Line 67: | Line 78: | ||
特に起動ユーザ、グループ、ソケットのユーザ、グループ、アクセス権は注意して設定してくださいね。Apacheの起動ユーザ権限とソケットのアクセス権が合っていないと、「Permission Denied」と言われます。また、PHP-FPMの起動ユーザ、グループがWebアプリ側のアクセス権と合っていないと、PHP-FPM側は、Webアプリファイルにアクセス出来ないと言われます。apacheのerror_logをよく見ててくださいね~ | 特に起動ユーザ、グループ、ソケットのユーザ、グループ、アクセス権は注意して設定してくださいね。Apacheの起動ユーザ権限とソケットのアクセス権が合っていないと、「Permission Denied」と言われます。また、PHP-FPMの起動ユーザ、グループがWebアプリ側のアクセス権と合っていないと、PHP-FPM側は、Webアプリファイルにアクセス出来ないと言われます。apacheのerror_logをよく見ててくださいね~ | ||
+ | |||
+ | |||
+ | ***PHP5.6側の設定 [#p36a6e48] | ||
+ | /etc/php/fpm-php5.6/php-fpm.confを編集します。今回は、UNIXドメインソケットで通信出来るように設定します。以下の項を注意して設定します。 | ||
+ | |||
+ | user = nobody # FPM版のPHPの起動ユーザ権限 | ||
+ | group = nobody # FPM版のPHPの起動グループ権限 | ||
+ | listen = /var/run/php-fpm/www5.6.sock # 通信するポートを指定。ここではwww5.6.sockというUNIXドメインソケットを指定 | ||
+ | listen.owner = nobody # 上記ソケットのユーザ | ||
+ | listen.group = nobody # 上記ソケットのグループ | ||
+ | listen.mode = 0660 # 上記ソケットのアクセス権 | ||
+ | |||
+ | 7.1のときと設定の注意は変わりませんが、ポイントは、listen=で作るソケットの名称です。バージョン名で分けると。 | ||
+ | |||
+ | **Apache側のFPM動作の設定 [#z07fdc4d] | ||
+ | /etc/apache2/70_mod_php.confを以下のように記載。 | ||
+ | |||
+ | <IfDefine PHP> | ||
+ | <FilesMatch "\.php$"> | ||
+ | SetHandler "proxy:unix:/var/run/php-fpm/www.sock|fcgi://localhost" | ||
+ | </FilesMatch> | ||
+ | |||
+ | # Set it to handle the files | ||
+ | <IfModule mod_mime.c> | ||
+ | AddHandler application/x-httpd-php .php .php5 .phtml | ||
+ | AddHandler application/x-httpd-php-source .phps | ||
+ | </IfModule> | ||
+ | |||
+ | DirectoryIndex index.php index.phtml | ||
+ | </IfDefine> | ||
+ | |||
+ | 起動オプションにPHPが指定されていたら、拡張子.phpにマッチするファイルは、PHP-FPMのソケットに渡す、というエントリーです。 | ||
*プロセス起動 [#l625760f] | *プロセス起動 [#l625760f] | ||
+ | |||
ApacheとPHP-FPMを再起動します。 | ApacheとPHP-FPMを再起動します。 | ||
# /etc/init.d/apache2 restart | # /etc/init.d/apache2 restart | ||
# /etc/init.d/php-fpm restart | # /etc/init.d/php-fpm restart | ||
+ | # /etc/init.d/php-fpm5.6 restart | ||
*使用するPHPバージョンの宣言 [#y8d349fb] | *使用するPHPバージョンの宣言 [#y8d349fb] | ||
- | ポリシーとして、以下のようにする、と先ほど書きましたね | ||
- | -デフォルトはモジュール版(PHP7.1で) | ||
-古いバージョンで起動させたいWebアプリだけ、.htaccessで制御する | -古いバージョンで起動させたいWebアプリだけ、.htaccessで制御する | ||
Line 82: | Line 125: | ||
<IfDefine PHP> | <IfDefine PHP> | ||
<FilesMatch "\.php$"> | <FilesMatch "\.php$"> | ||
- | SetHandler "proxy:unix:/var/run/php-fpm/www.sock|fcgi://localhost" | + | SetHandler "proxy:unix:/var/run/php-fpm/www5.6.sock|fcgi://localhost" |
</FilesMatch> | </FilesMatch> | ||
+ | |||
DirectoryIndex index.php index.phtml | DirectoryIndex index.php index.phtml | ||
+ | |||
</IfDefine> | </IfDefine> | ||
- | 起動オプションにPHPが指定されていたら、拡張子.phpにマッチするファイルは、PHP-FPMのソケットに渡す、というエントリーです。.htaccessは、置かれたディレクトリ配下のアクセス条件に上書きされるので、このエントリーが無い他のWebアプリは、モジュール版PHP7,1、先のエントリーがある.htaccessがあるWebアプリはPHP5.6で動く、という仕掛け。 | + | .htaccessは、置かれたディレクトリ配下のアクセス条件に上書きされるので、このエントリーがある.htaccessがあるWebアプリはwww5.6.sockで通信される。PHP5.6で動く、という仕掛け。 |
- | さらに応用すると、PHPをもっと複数バージョン入れておき、PHP-FPMを複数バージョン起動させておいて、バージョン呼び分けする、という技も使えますよ~。ヒントは、先程のUNIXドメインソケットをバージョンごとに作り分ければ、良いわけですねぇ。 | + | もうおわかりかと思いますが。起動シェルをコピーして、ソケット名を分けていけば、いくつでもPHPが起動できると言うわけですね。 |
これで、PHPバージョンでアプリが動かなくなる悪夢から解放されそうです♪ | これで、PHPバージョンでアプリが動かなくなる悪夢から解放されそうです♪ |
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