ページへ戻る

− Links

 印刷 

猫に教えられた男の生き様 のソース :: Nest Of Hawk

xpwiki:猫に教えられた男の生き様のソース

  
[[我思う 故に我あり]]

*おいちゃんは無類の猫好き [#i5d6a12c]
じつはおいちゃんは猫が好きなんです。動物好きな人だと、犬好き派と猫好き派に分かれると思うのですが、おいちゃんは猫。なぜかと言うと、犬は思い込んだらまっしぐら。ご主人様を信じて疑うことは無いですよね。猫はその逆で、とらえどころがない。つんけんしているのかと思ったら、実は寂しがりやだったり、すっげぇプライドが高くて、失敗を絶対見せようとしなかったりと、とても人間らしいので、好きなんです。そのうちアメリカンショートヘアとか欲しいなぁーと思っている今日この頃。仕事退職したら考えよう。うん。

*思い出の猫 [#uf8303c4]
うちの実家では、ちょっと前まで猫を飼っておりました。ほとんど雑種で、大体拾い猫でした。で、おいちゃんが一番思い出深い猫。それは、おいちゃんの実家で、最も長寿を誇った白と褐色のまだら猫「ジージ」君でありまする。ジージなんて変な名前ですが、もともとジョージだったんですけど、呼びづらくって段々なまってきて、結局ジージになってしまったというなんともな名前なんですけどね。

で、この猫。すっげぇ気弱で、近所の猫とけんかすると、大体けんかになる前に逃げ帰ってくるような、なんて弱弱しい猫なんだろう、という感じでした。しかもオスで去勢されてしまったので、とってもおとなしくなってしまい、ほとんどを家で寝て過ごすような猫でした。彼のお気に入りの場所は冷蔵庫の上の高いスペース。ここでよく寝ていたものでした。

*家族が一匹増える [#lc817cf2]
このジージが住み着いて2~3年。うちに新たな猫がやってまいりました。生後間もないと思われるメスシャム猫がうちに迷い込んでまいりまして、結局家にいついてしまいました。名前がエリーともうしましてな。当時サザンが流行ってたのよ。このシャム猫。子供の癖にチョー勝気。早速先輩猫のジージにもちょっかいを出し始めまして、まず食卓を占領。ジージが食事をしていると、横からエリーがやってきてつまみ食い。「私によこせ」と言わんばかりに顔を突っ込んできて、しぶしぶジージは退散する有様。さらにお気に入りだった冷蔵庫の上も、このエリーに占領。遊びたい盛りのエリーにちょっかいかけられまくり、ジージは家の隅っこの方に追いやられ、ちーさくなって過ごしてました。当時の彼は、うちの中でも子猫にも勝てない情けない猫と、笑いもの。おいちゃんはちょっとかわいそうになるぐらいでした。

さらに、このエリー。勝気が過ぎて、手乗りぐらいの小さい頃に、近所のボス猫に喧嘩をしかけ、尻尾さかだてて、家にあわてて帰ってくるとか、「おてんばもほどほどにせれ!」って感じでした。

*ジージの漢をみる [#k731998e]
ある日、このエリーがまたもや喧嘩を仕掛けたらしく、家の中にいたら猫が喧嘩している声が聞こえてきました。程なくエリーが尻尾を逆立てて帰ってきまして。家の連中が、「弱いんだから喧嘩しかけちゃだめだよぅ~
」なんて話しているときに、ふらりとジージが外に出て行くのをおいちゃんだけが見かけました。そのときはまったく気にしていなかったのです。

さらに別の日、またもやエリーが尻尾を逆立てて家の中に飛び込んで来ました。その直後、外から「ふぎゃー!!!」という猫の声。ん?どこの猫だ?喧嘩してるのは?と思い飛び出してみると、スネオみたいな取り巻き猫2匹を連れた、ジャイアンみたいにまるまる太った近所のボス猫と、うちのジージがにらみ合いをしてたんです。

&size(20){あの弱虫ジージが???};

と我が目を疑いました。「うちの縄張りに踏み込むな」と言わんばかりに。程なくこのボス猫、あきらめたらしくすごすごと引き返していきました。このボス猫に、昔は追いかけられてて、逃げ帰ってきたりしてたのに…

引き返すのをみたジージが、スタスタと帰っていくので、後を追っていくと、家に帰り、相変わらず尻尾逆立てておびえているエリーの体を舐め、スタスタと家の中に帰って、布団の上にゴロンと。「もう追っ払ったから。大丈夫だよ」と言っている様に私には見えました。

ただ、家に帰ったあとは、やっぱりふつーのよわよわ猫。どんくさくって、エリーにいじられまくり。でも思いました。

&size(20){ジージ、君は漢だよ};

ぼんくらで、よわよわで、家の中では馬鹿にされているような存在に見えていて、実は強い。この家の猫を守るのは俺なんだという強い自覚を持っている。自分が敵いそうもない相手だったとしても、逃げちゃいけない時がある。彼は寡黙で、そういうところを表立って見せる猫ではありませんでしたが、背中で語っていました。なんていうか、ちょっと涙が出てしまいました。かっこいい。かっこいいよ。お前は。

人間だって、分かっちゃいても、権力に負けたり、逃げたりするのに、弱虫猫でも守るべき者ができたら強くなれるんだね。俺もそういう男でありたいなぁ。昼行灯な雑種猫に、真の漢の姿をみたおいちゃんでした。ジージ、君の事は、お手本としていくよ。天国で安らかに…

  

  • 猫に教えられた男の生き様 のバックアップソース(No. All)
    • 現: 2009-08-16 (日) 23:04:07 maruo[3]