iPhone/Androidとも、クラウドとのつながりを強化する方向になってきてますね。iPhoneだったらばiCloud,AndroidだったらばGoogle Drive等。電話帳やメール、そしてアプリのデータなども全て同期できるようになって、便利になりましたね。でも、おいちゃんは、クラウドにデータを預けるのは、なるべく嫌なんです。だって、覗き見されているとも限らないしさ。なもんで、なるべく手元に置いときたいのです。自前のサーバーを持ってるおいちゃんとしては、自前のサーバの共有ディスクに集めておきたいのです。ですが、そんな機能はAndroidには無い。で、いろいろいい手はないものか、と調べていた所…あるじゃないですか。FolderSync[2]というアプリ。こちらは、ありとあらゆるクラウドサービス、Samba,WebDAVとかと同期できるそうですわ。このSamba,WebDAVというところに惹かれまして、いざ、やってみようということにいたしました。
ACLとは、Access Control Listの略で、ファイルシステムのACLというと、ファイルシステムにアクセスできるユーザー権限を細かく設定する機能の事です。
まずは、ファイルシステムのACLを有効化するために、ACLのスイッチをONにして、ファイルシステムをマウントします。
# vi /etc/fstab
ユーザーのホームディレクトリに、WebDAVでアクセスするためのディレクトリを作るので、/homeがあるパーティションのディスクに対し、以下の設定をします。
/dev/sda1 /home ext4 default,acl 0 1
aclを追加ね。で、これをやったあと、aclオプションを有効化するために、以下のコマンドを投入。
# mount -o remount /
以下の方針で行きまする。
WebDAVで書き込まれる場合、書き込むユーザーさんがWebサーバApacheが動くユーザー権限(Gentooデフォルトではapache.apacheさん)になります。何も設定しない権限でやると、ユーザーディレクトリはApacheさんが書き込めず、またApacheさんが書いたファイルをuser1さんがいじることができません。このために、以下のACLを設定します。
# setfacl -m g:apache:rwx,g:apache:rwx /home/user1/share/ ← 共有ディレクトリへapacheグループ権限で参照・更新・実行を許可 # setfacl -m d:g:apache:rwx,g:apache:rwx /home/user1/share/ ← 共有ディレクトリへ新規作成するファイルへapacheグループ権限で参照・更新・実行を許可 # setfacl -m u:user1:rwx,u:user1:rwx /home/user1/share/ ← 共有ディレクトリへuser1ユーザ権限で参照・更新・実行を許可 # setfacl -m du:user1:rwx,u:user1:rwx /home/user1/share/ ← 共有ディレクトリへ新規作成するファイルへuser1ユーザ権限で参照・更新・実行を許可 # ls drwx------+ 5 user1 users 4096 12月 3 23:21 webdav ←ディレクトリのアクセス権に、+があることがACLが効いている証 # getfacl share/ # file: share/ # owner: user1 # group: users user::rwx user:user1:rwx #effective:--- ←user1さんにアクセス権が付いている group::r-x #effective:--- group:apache:rwx #effective:--- ←apacheさんにアクセス権が付いている mask::--- other::--- default:user::rwx ←user1さんにアクセス権が付いている default:user:user1:rwx default:group::r-x default:group:apache:rwx ←apacheさんにアクセス権が付いている default:mask::rwx default:other::r-x
ここまでで終わりです。ちなみに、ACLを解除したい場合は
# setfacl -b /home/user1/share/
さらに、WebDAVのポリシーを、以下とします。
/etc/apache2/vhost.dに、SSL用のvhost設定ファイルdefault_ssl_vhost.includeがあります。こいつに設定追加。LDAPで認証して、かつuser1さんしかアクセスを許可しないように設定。LDAPでないBasic認証も可能です。
Alias /webdav/user1/ "/home/user1/share/" <Directory "/home/user1/share/"> DAV on Options FollowSymLinks AllowOverride All AuthType Basic AuthName "Please input user and password" AuthBasicProvider ldap AuthLDAPBindDN "cn=user,dc=example,dc=com" AuthLDAPBindPassword secret AuthLDAPURL "ldap://foo.example.com/ou=People,dc=example,dc=com?uid" require user user1 Order allow,deny Allow from all </Directory>
さらに、/etc/conf.d/apache2に、起動オプションで-D DAVを追加。まぁ、適切に…。うちのサーバ設定は、以下かな…
APACHE2_OPTS="-D DEFAULT_VHOST -D INFO -D LANGUAGE -D SSL -D SSL_DEFAULT_VHOST -D PHP5 -D AUTH_DIGEST -D LDAP -D AUTHNZ_LDAP -D CACHE -D MEM_CACHE -D DAV"
で、apacheを再起動。
# /etc/init.d/apache2 restart
スマートフォンに、FolderSyncをインストールします。有償版と無償版があります。無償版は、クラウドアカウントに制限がありますが、おいちゃんの場合は、WebDAVしか使用しないので、無償版で十分です。
FolderSyncをインストールし、立ち上げると、メニューが出てきます。「アカウント」で、先ほど作ったWebDAVの通信アドレス、フォルダ、ユーザ名、パスワードを入力。「ログインを検証」ボタンを押してみます。「ログインに成功」メッセージが出たらば、問題なしです。
「Folderpairs」で同期したいフォルダを入力します。アカウントは、先ほど設定したWebDAVにつけたアカウント名。リモートフォルダはWebDAVのフォルダ、ローカルフォルダはスマフォ側のフォルダです。このFolderpairsを複数作ることによって、複数箇所の同期が出来ます。これで、おじさんは
をバックアップしてます。スマフォからのバックアップだけでなく、PC→スマフォへのコピーも、WebDAV上の同期フォルダに置いておけばコピーされるので、いちいちUSB接続しなくてもデータのコピーができるので、とても楽ちんになりましたよ~。
(This host) = https://femt.ddo.jp