UNIXでの代表的日本語入力
UNIX上で日本語入力するためには、
- 日本語変換プロセッサ
- アプリー日本語プロセッサ間インタフェース
この2つをそろえることが重要です。日本語変換プロセッサは皆さんでもピンとくる、MS-IMEや、ATOKみたいな、入力文字列を仮名漢字混じりな文字に変換してくれるソフト、アプリー日本語プロセッサ間インタフェースは、さまざまなアプリケーション(例えば仮想ターミナルとか)に日本語文字を流し込んでやるときの中間インタフェースになるソフトウェアです。
日本語変換プロセッサを選んでみる
代表的なのは以下です
- canna
- Wnn
- Wnnの商用製品
- ATOK
- SKK
- Anthy
- PRIME
- Google日本語入力
ATOKやWnnの商用製品は、お金を払って買ってくるソフトです。金を払う分、変換効率もぴか一。Windows用変換プロセッサと変わらない使い心地で入力できますが、こちとら貧乏暇無し。なかなかお金を払えない分Linuxでサーバをやっているという経済事情もあります。ですので、その他のフリーに行ってみたいのですが、正直言って、UNIXの日本語入力環境は、お世辞にも「こら便利♪」とは行きません。逆に非常にめんどくさく、しかも結構あほなのです。
ですので、5年ぶり位にUNIXに帰ってきた身分としては、ちょっと昔使ってた環境とは違う方向にシフトしてみたいと思います。
- canna
- UNIX仮名変換プロセッサでは最もメジャーな一つ。私も使ってた。サイズが小さくて軽快なのが売り。だけどデフォルトでは変換辞書はあほ
- Wnn
- これもメジャーな一つ。cannaよりも前に一世を風靡した。cannaよかちょいと賢いけどやはりあほ
- SKK
- canna,Wnnよりも後に登場した好きな人は大好きな変換プロセッサ。おいちゃんは使ったことは無いがわりと賢そう。操作感も軽快っぽい。
- Anthy
- 最近(?)登場してきた比較的新しい変換プロセッサ。セキュアな変換環境が売り
- PRIME
- 予測変換という、携帯電話の変換のような事をしてくれる。「あ」と一文字入れると「ありがとう」「甘い」などの変換候補を出してくれるあれ。
- Google日本語入力
- Googleが出した、WinでもLinuxでも共通に使用できるIMEです。
で、私はどうしたか?最初cannaを入れてみたのですが、それでは面白くない!ってんで、人から教わったAnthyとGoogle日本語入力を入れてみました。
インストール
別に他でも良かったのですが、「比較的新しくて、面白そうですよ」と乗せられてしまいました。そいつはSKK使ってるのにな~。人身御供です。
emerge -U -b anthy
ほほう。おしまい。
とりあえずemacsから使ってみる
emacsとは、UNIXな分野では超メジャーなスーパーエディタです。Windowsのエディタでもキーバインドをemacsライクにする、なんて言葉があります。聞いたことありますでしょう。UNIXのエディタではviも有名ですが、どちらかというとちょい書きするのに向いている小さいエディタ。emacsは逆に、統合環境の走りとも言うべき、超ウルトラ高機能な激重エディタです。最近はCPUが早いから気にならないけどね。elispというlisp言語を用いたマクロが用意されていて、本当にプログラムが書けます。本来エディタなので、プログラムやテキストファイルの編集がメインなのですが、メールリーダ、ニュースリーダ、Webブラウザ、コンパイル&デバッグの統合開発環境みたいな真似事まで、テキストベースな環境でコレで出来ないことはない。出来ないのは画像の表示ぐらいという革命的なソフトです。で、日本語入力も比較的簡単に設定できてしまいます。さて、gentooのportageを使った場合はどうかというと、ユーザのホームディレクトリに.emacsというファイルを作ります。んで、
(load "/usr/share/emacs/site-lisp/site-gentoo")
という一文を書き加えます。終わり。このsite-gentoo.elというファイルに、インストールしたelispの初期設定をportageが書き込んでおいてくれるので、これだけで設定がすむという寸法。Ctrl+\で入力環境が起動します。ステータスバーに<Anthy あ>と出たら日本語入力可能になった証拠。入力してみましょう。うまく日本語が入りましたか?SPACEバーで変換。範囲指定はSHIFT+矢印。文節移動は左右矢印。これは結構操作感いいですね。キーバインドも直感的に操作できる。かなり気に入りました♪
Xでも使ってみたいよね
UNIXでは、日本語入力環境を標準的に使うのって結構しちめんどくさいんですね。Xにマルチバイト文字を流し込んでやるためには、XIM(XInputMethod)というインタフェースを使用するのが一般的。で、このインタフェースと、日本語入力プロセッサの仲介役をしてくれるソフトをインストールする必要があるわけですね。Anthyでは、UIMという新しいGnome限定入力メソッドを持っていて、これを利用します。このパッケージに、UIM-XIMというツールも入っていて、これでXIMなやつにも対応できる寸法。
# emerge -b uim uim-toolbar-qt4
はい、インストール完了。設定してみましょう。.xprofileに以下の記述を追記いたします。
export XMODIFIERS="@im=uim" export GTK_IM_MODULE="uim" export QT_IM_MODULE="uim" exec uim-toolbar-qt4 &
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